今回はグスタフ・マーラーについて紹介していきます。
グスタフ・マーラーはオーストリア帝国のカリシュト村というところで次男として生まれました。現在のチェコのカリシュチェというところです。
兄弟は14人いたそうですが、半数の7人が病死したそうです。この時兄もなくなったため、実質長男として育てられたようです。
オーストリア・ハンガリー帝国のユダヤ人に関する法律の改正により、マーラー一家はイーグラウに引っ越しました。引っ越した先でグスタフがピアノに没頭したことで、父ベルンハルトはグスタフが音楽家に向いていることを確信しました。9歳の時にギムナジウムに入学、そして15歳の時にウィーン楽友協会音楽院(現在のウィーン国立音楽大学)に入学し音楽を本格的に学びました。ウィーン大学でブルックナーの講義を受けて、ここからマーラーとブルックナーは親交を深めていきます。18歳で卒業し、23歳でカッセル王立劇場の楽長、24歳でプラハのドイツ劇場の学長に就任しています。
さて、グスタフ・マーラーの交響曲を紹介していきます。
中学校の音楽の教科書には、交響曲第1番「巨人」が冒頭部分だけちょっと載っていましたが、個人的にオススメしたいのが交響曲第9番です。
マーラーは交響曲第8番を完成させたのち、次の交響曲に9番と名付けるのを嫌いました。ベートーヴェンや親交の深かったブルックナーが、交響曲第9番を完成させたのちに死んでいるのを意識したためです。マーラーは小さい頃から死に対して恐怖を抱いていたようで、結局9番になるはずだった曲は大地の歌と名付けられ、10番目の交響曲が9番と名付けられることになりました。このような経緯があるためか、交響曲第9番からは全体的に死の恐怖や、狂気を感じます。
GUSTAV MAHLER SYMPHONY NR 9 Bernstein
53分50秒からがオススメの聴きどころですね。この部分は第3楽章の終盤で、静かな雰囲気から3楽章終了まで一気に突っ走ります。不安を煽るような速さは、死の恐怖で狂っているのを感じさせます。特に最後の部分(56分5秒あたりから)でヴァイオリンが素早く下降するラインを弾いているのですが、ここが一番狂気を感じるなと思っています。
この3楽章の後の最終楽章は、打って変わって終始静かな雰囲気です。綺麗なメロディーでうるさくならないので、寝る前にいつも聴いているくらいです。この楽章の最後の小節にはersterbend(死に絶えるように)と記されており、この第9番のテーマが「死」であることが分かります。
他にも交響曲第6番でハンマーが使われたり、なかなか個性的な交響曲がたくさんあると思います。興味があれば聴いてみてはいかがでしょうか?
Schöpfung
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