2015年10月30日金曜日

ドイツフェスティバル2015


今年もドイツ大使館主催のドイツフェスティバルが開催されます。
ドイツ関連商品や各種ドイツ団体のブース、ステージでのパフォーマンスやドイツ料理などが楽しめます。
ぜひ足を運んでみてください!

期間:2015年10月30日(金)~11月3日(火) 11:00~21:00
場所:都立青山公園



公式サイト:http://www.deutschlandfest.com/

2015年10月21日水曜日

歴史で学ぶドイツ語・第3回「戦後を読む・聴く・回顧する」

戦後を読む・聴く・回顧する

 右と言えば左というのではありませんが、本などもどちらかといえば古本を好むほうで、神保町を昼食を食べ忘れたまま見て回ったこともあります(実話)。大学の図書館でも、経年劣化した岩波文庫の肌触りが心地よいものです(って書いても理解してくれそうな人はいなさそうですが・・・)。まあ暇のある時に色々専門分野とは関係ないコーナーを見て回るのも一興ですよ。
 さて今回はそんな古い本からドイツ語を学んでみましょう。Diese Bücher werden womöglich nicht „Makulatur!“


 „Stimmen der Zeit“に興味を持たれた方におすすめしたいのが『ドイツ現代史を演説で読む』です。背表紙に「テープ」(「カセット」だったかもしれません。ちなみに写真は個人所有のものです)のラベルが貼ってあり、以前韓国語をわざわざカセットテープ付きの古本で独学したのを思い出しました。あの独特のイントネーションは、と、話があさっての方向にそれていきそうなので軌道修正します。本を開いてまず目を引くのが、46年3月のKonrad Adenauerによる演説です。中でも„weil paralel laufende, gleichgeschaltete wirtschaftliche Interessen das gesundeste und dauerhafteste Fundament für gute politische Beziehungen zwischen den Völkern sind und immer bleiben werden.“というくだりは、Johan Galtung氏の提唱する真の「積極的平和主義」(2015年8月26日付の朝日新聞朝刊で読みました)を連想させます。つまり複数の国による共同体が、一番の抑止力となるのです。書き忘れていましたが、テープに録音されているのはWeizsäcker大統領の「敗戦40周年記念演説」と「ドイツ統一記念演説」(今年の10月3日で統一25周年を迎えますね)のみです。その他は一部、Itunesなどでダウンロードできるものもあり、またスクリプトはDer Bundespräsident(„Die Bundespräsidenten“にカーソルを合わせると歴代大統領の名前が表示されます)で読むことができます。統一記念演説だけはインターネット上で視聴することができなかったので、関心のある方はカセットとともにどうぞ(余談ですが、貸し出す際に職員の方から「カセットでよろしいですか」と聞かれてしまいました・・・)。テープからMDに、さてそこから今世紀の携帯プレーヤーなどに転送する機器を持っていなかったので、CDも購入してみました。

Auf Amazon.de gekauft

 こちらにはBRD設立40周年記念演説も収録されています(そのかわり統一記念のものはありません)。もちろん有名すぎる、ドイツ語に関わることのない人にも知られているほうの演説はネット動画で視聴することもできます。しかしこのようにパッケージ化されたもので聴くのも、それはそれで一興です。昔はVinyl(レコード)で聴いていたという話をなにかのブログで読んだことがありますが、う~ん、聴けはしないものの、お店みたいに飾っておきたいものです。

 戦後、ドイツと日本は平和と発展の道を模索してまいりました(いきなり演説調)。戦勝祝賀式はたしかに戦勝国のためのものかもしれません。そして謝罪は敗戦国のために用意された義務でもあるのでしょう。ただしここに一つの事実があります。敗れたからこそ将来にわたって戦争をしないという誓いができたのです。もし勝利していたら、日本は戦争のできる国であり続けていたでしょう。これからの課題は、どうしたら米国のUntertan(臣下)という状況を抜け出し、自立した、責任ある行動をとれるかということにあると私は思います。米国がこうこうするから日本もそうする、というのでは、ある意味国民にとってお上の上にさらにお上がいるようなものです。

Die Tage mit Vater(『父と暮らせば』)

 素人写真が最初と最後に二枚載りましたが、ネットオークションの出品写真ではありません。冗談はともかく、すっかり長くなって紙数がつきてきてしまいました。最後は故・井上ひさし氏による『父と暮せば』を手短に紹介しましょう。ドイツ語版は是非、ドイツ語劇サークルPanoptikumのみなさんに上演していただきたいものです(登場人物は二人だけなのですが)。物語は、原爆を奇跡的に生きのびた女性が、自分一人だけ生きているのは申し訳ないという気持ちと、一方では生きたいという気持ちの間を揺れる様を描いています。作者は、一人二役は厳しいだろうと思い、生きたいという気持ちを代表する者として父親を登場させたと書いています。この作品はドイツ語のみならず、英語、イタリア語、ロシア語などにも翻訳され、各国で上演されてきました(出版から年数が経っているので、更に国境を越えていると思われます)。朗読劇という形で、ここ獨協で上演するのもいいかもしれません。この本はアメリカの古本屋をとおしてドイツの古本屋から取り寄せたものですが、奥付を見ると、日本国内で出版されたもののようです。逆輸入です。なお、本は左にドイツ語、右に日本語という語学本のような体裁になっています。

では次回をお楽しみに。Wiedersehen!

Yuki Watanabe

映画「ヒトラー暗殺、13分の誤算」

『ヒトラー暗殺、13分の誤算』
(原題:Elser)
監督:オリバー・ヒルシュビーゲル
制作国:ドイツ
制作年:2015年
時間:114分
ドイツ語・日本語字幕

あらすじ(公式サイトより):

この”平凡な男”は、救世主か暗殺者化、それとも――。

1939年11月8日、ドイツのミュンヘンにあるビアホールで、毎年恒例のミュンヘン一揆記念演説を行っていたアドルフ・ヒトラーは、悪天候のためにいつもより早く切り上げた。その後、ホールに仕掛けられていた時限爆弾が爆発──ヒトラーが退席して13分後のことだった。

8人を死に至らしめた爆破装置は精密かつ確実、計画は緻密かつ大胆。その手口から、独秘密警察ゲシュタポはクーデターや英国諜報部の関与を疑ったが、逮捕されたのは、田舎に暮らす平凡な家具職人、ゲオルク・エルザーと名乗る36歳の男だった。あまりにも信じがたい現実――。大物の黒幕の存在を確信したヒトラーは、決行日までに彼が歩んできた人生のすべてを徹底的に調べるように命じる。

単独犯だというエルザーの主張は本当なのか?誰かをかばっているのか?

スパイである真偽は?所属する政党もなしにどんな動機があるというのか?

音楽やダンス、恋に興じ、家具職人として働く平凡な男から語られる真実とは――?


劇場情報:
東京都:TOHOシネマズ シャンテ 10/16(金)
東京都:シネマライズ 10/16(金)
東京都:MOVIX昭島 10/16(金)
神奈川県:TOHOシネマズららぽーと横浜 10/16(金)
千葉県:TOHOシネマズ流山おおたかの森 10/16(金)
茨城県:シネマックスつくば 11/21(土)

公式サイト:http://13minutes.gaga.ne.jp/

2015年10月16日金曜日

Das Geheimnis der Orgel in Passau

高島さんは、ドイツ語学科の卒業生で、現在は獨協大学図書館でお仕事されています。そんな高島さんにバイエルン州の都市パッサウにあるオルガンについて執筆していただきました。

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Das Geheimnis der Orgel in Passau

Yutaka Takashima

     Passau, eine hübsche bayerische Stadt an der Landesgrenze zu Österreich, wo drei Flüsse, die Donau, der Inn und die Ilz zusammenfließen.



     Die Stadt ist bekannt für die Orgel im Passauer Dom St. Stephan. Die im Jahr 1980 vollendete Orgel ist die drittgrößte der Welt und die größte unter den katholischen Kirchenorgeln in der ganzen Welt mit knapp 18.000 Pfeifen.
Vom Mai bis zum Oktober gibt es dort an jedem Werktag ein kleines Mittagsorgelkonzert und jeden Donnerstag ein einstündiges Abendorgelkonzert. Da ich am Donnerstag, den 10. 09. 2015 in der Stadt übernachtet habe, konnte ich beim Abendkonzert dabei sein.
     Die Domorgel ist traumhaft schön in einer weißen Kapelle mit einem wunderbaren Deckengemälde. Der Gastorganist aus Regenburg, Ludwig Schmidt, hat insgesamt sieben Stücke von J. S. Bach bis Max Reger gespielt. Der Organist hat wohl die Stücke so ausgewählt, dass er die große und vielfältige Leistungsfähigkeit der weltbekannten Orgel ausnutzen konnte. Er hat dem Instrument einen erstaunlich faszinierenden, bunten und vielfältigen Klang entlockt. Außer dem Klang der Hauptorgel waren Töne auch von den beiden Seiten zu hören. Es gibt kleine Orgeln links und rechts von der Hauptorgel und ich habe gewusst, dass der Spieler auch die Nebenorgeln benutzt. Darüber hinaus hatte ich das Gefühl, als ob ich die Töne auch von hinten, vom Altar (auf der anderen Seite der Orgel) und auch von oben hören könnte. Die Akustik in der Kapelle ist so gut, dass eine „Surroundwirkung“ erreicht wird. Doch danach habe ich gefunden, dass es eine andere kleine Orgel an der Wand im Altar gibt. Ich war aber nicht sicher, ob die Orgel im Altar tatsächlich gespielt wurde.
     Nach dem Konzert habe ich den Organisten gefragt, ob er auch diese Orgel benutzt hat.
  „Ja, ich habe auch die Orgel gespielt. Und haben Sie auch bemerkt, dass ich eine weitere Orgel von oben benutzt habe?“ So hat er mich gefragt.
     „Was? Gibt es hier oben im Dom auch eine weitere Orgel?“
     „Ja!“
     Nachher habe ich die Orgel auf der Decke gesucht, aber ich konnte sie nicht finden. Diese Frage hat mich verfolgt und nach der Rückkehr nach Japan hat sich mithilfe des Internets das Rätsel gelöst.
Die Orgel steht oberhalb der Decke auf dem Dachboden im Langhaus des Doms und der Ton kommt durch das sogenannte „Heiliggeistloch“ auf der Deckenmalerei. Das Heiliggeistloch sei keine Originaleinrichtung des Passauer Doms, sondern laut der Erläuterung von der „Wikipedia“:
eine Öffnung in der Decke des Langhauses eines Kirchengebäudes, das ursprünglich als Lüftungsöffnung für die Kirche diente. Während des Pfingstgottesdienstes diente die Öffnung dazu, als Symbol für den Heiligen Geist eine weiße Taube freizulassen, eine Holztaube herunterzulassen oder Blumen herabregnen zu lassen.
Gelegentlich ließ man durch die Öffnung trotz der Brandgefahr brennendes Werg als Symbol der Flammenzungen des Heiligen Geistes fallen. In anderen Fällen wurden die Zungen bereits als Verzierung rund um das Loch angebracht.
In anderen Kirchen wurde an Christi Himmelfahrt ein Licht geschwenkt und für die Jugend wurden Süßigkeiten und Blumenkränze geworfen oder eine Christusfigur stieg durch diese Öffnung an einem Seil in den „Himmel“ auf.
Der seit der Gotik bekannte Brauch kam nach der Aufklärung nach und nach außer Gebrauch, wird heute aber in einigen Kirchen wiederbelebt.
Im Passauer Dom ist über dem Heiliggeistloch im Dachgebälk eine Orgel als Fernwerk aufgestellt, die durch das durch ein Gitter verschlossene Heiliggeistloch hörbar ist.
     Sehr interessant! Danach habe ich die vor Ort selbst gemachten Fotos genauer nachgesehen. Das „Heiliggeistloch“ ist deutlich auf der Decke zu sehen!

2015年10月7日水曜日

映画「顔のないヒトラーたち」

『顔のないヒトラーたち』
(原題:Im Labyrinth des Schweigens)
監督:ジュリオ・リッチャレッリ
制作国:ドイツ
制作年:2014年
時間:123分
ドイツ語・日本語字幕

あらすじ(公式サイトより):

1958年、フランクフルト。アウシュヴィッツは知られていなかった。

戦後十数年を経て、西ドイツは経済復興の波に乗り、殆どの人が戦争の記憶、自分たちが犯した罪を過去のものとして忘れ去ろうとしていた。
そんな時、一人のジャーナリストがアウシュヴィッツ強制収容所親衛隊員だった男が、規則に反し、ある学校の教師をしていることを突き止める。
駆け出しの検察官ヨハンは、上司の引き止めにも耳をかさず、この一件の調査を始める。

ジャーナリストのグニルカ、強制収容所を生き延びたユダヤ人のシモンとともに、アウシュヴィッツでの悪行に関わりながら、罪を問われることなく普通に市民生活を送っている元親衛隊員個々人の証拠を集め、主席検事バウアーの指揮の下、ナチスがアウシュヴィッツでどのような罪を犯したのか、その詳細を生存者の証言や実証を基に明らかにしていく。

そして、1963年12月20日、フランクフルト・アウシュヴィッツ裁判(→外部サイト解説)の初公判が開かれた。


劇場情報:
東京:ヒューマントラストシネマ有楽町 10月3日(土)
東京:新宿武蔵野館 10月3日(土)
神奈川:シネマ・ジャック&ベティ 10月17日(土)

公式サイト:http://kaononai.com/

映画「ピエロがお前を嘲笑う」

『ピエロがお前を嘲笑う』
(原題:Who am I? - No System Is Safe)
監督:バラン・ボー・オダー
制作年:2014年
制作国:ドイツ
ドイツ語・日本語字幕

あらすじ(公式サイトより):
警察に出頭した天才ハッカー・ベンヤミン(トム・シリング)。世間を騒がせ殺人事件にまで関与を疑われ国際指名手配をされた。そのベンヤミンが自ら語りだした――
学校では苛められ冴えないベンヤミン。ピザ屋のバイトでも馬鹿にされ、想いを寄せているマリ(ハンナー・ヘルツシュプルンク)にもまともにアプローチもできない。そのマリのために試験問題をハッキングして手にいれようとしたベンヤミンだったが捕まってしまう。前歴がなかったため社会奉仕活動を命じられ、そこで野心家のマックス(エリアス・ムバレク)と知り合う。2人にはハッキングという共通の趣味が合った。マックスはベンヤミンの天才的な才能を見抜き、マックスの友人たちを交えて、破壊活動を行うハッカー集団“CLAY(クレイ)”を結成する。国内の管理システムを手当たり次第ハッキングを仕掛け、世間を混乱させ注目を集める。そしてクレイはライバルハッカー集団を挑発し、ついにはその正体を暴いてみせる。さらにドイツ連邦情報局へもハッキングを仕掛け、有頂天になっていたベンヤミンたちだったが、ベンヤミンの仕掛けた不用意なハッキングがきっかけで殺人事件が発生してしまう。ついにユーロポール(欧州刑事警察機構)の捜査が入り、ベンヤミンたち自身が危険にさらされることになり、自ら出頭することにしたのだった。
 しかしベンヤミンの自供はつじつまが合わない。翻弄される捜査官たち。果たしてどこまでが真実なのか。彼の真の目的とは――。



劇場情報:
東京 新宿武蔵野館 上映中
東京 ヒューマントラストシネマ渋谷 ~10/9
東京 シネ・リーブル池袋 10/10〜
東京 T・ジョイ大泉 上映中
神奈川 横浜ブルク13 上映中
神奈川 シネマジャック&ベティ 上映中
千葉 キネマ旬報シアター ~10/23
千葉  T・ジョイ蘇我 上映中