2016年10月7日金曜日

映画『アイヒマンを追え!ナチスがもっとも畏れた男』(原題:Der Staat gegen Fritz Bauer)

監督:Lars Kraume 
(2015年)


 10月15日〜19日まで、TOHOシネマズ六本木ヒルズにて、ドイツ映画祭「HORIZONTE」が開催され、今年のベルリナーレ(ベルリン映画祭)にも出展された『フクシマ・モナムール』をはじめ、最近のドイツ映画の秀作が上映されます。
 ここでは、その一つである『アイヒマンを追え!ナチスがもっとも畏れた男』を紹介します。

〜あらすじ〜
戦後12年、上席検事フリッツ・バウアーはなおナチス政権の犯罪者を探り出し、責任を問おうとする。その目的に向けて、型破りで時には違法な手段に訴えることさえある。しかし、ドイツ政府の高官がバウアーの仕事を邪魔し続ける。
(ドイツ文化センターHPより)

 筆者は、偶然ドイツから帰国の飛行機で本作を観る機会に恵まれたのですが、本作は、アイヒマン裁判を扱った『ハンナ・アーレント』(2012年)の前夜とも言える、つまりアイヒマン逮捕までをめぐる作品です。主人公フリッツ・バウアーは、アイヒマンをドイツ人が裁かねばならないという考えから、彼の居所を捜索し、逮捕を試みます。バウアーと彼と対立する人物たちとのやりとりを通じて、戦後の「復興」と「責任」というアンビバレントな感情に揺れるドイツ社会の様子が描かれています。

詳細はこちら:


ドイツ映画祭についてはこちら:

2016年10月3日月曜日

Tag der Deutschen Einheit




10月3日はドイツ統一の日です。

1989年の11月に壁が崩壊し、東西の分断がなくなりました。そして、1990年の今日、10月3日にドイツは現在の形に統一されました。この背景を遡ることは歴史的にも文化的にも大きな意味を持つことですが、本日は2016年のドイツがどのように今日を祝っているかに注目をしたいと思います。


10月3日はドイツでは統一記念日として国民の祝日となっています。また、毎年、このドイツ統一の日を祝う祝賀行事が行われています。この行事はドイツを構成する州で持ち回りで行われ、今年の2016年はザクセン州の州都ドレスデンで行われます。
1990年という遠くない過去から未来へ。今のドイツどういう国なのか、今まさに抱えている問題やその展望、そんな『現在のドイツ』に触れながらドレスデンでは様々なプログラムとともにこの晴れの日を祝っています。今から飛行機を予約することは難しいですが、プログラムを一読してみると、おもしろいかもしれません。
公式ホームページはこちら( https://www.tag-der-deutschen-einheit.sachsen.de/index.html ドイツ語)

ドイツというヨーロッパにありながら、歴史上日本とは切り離して考えることが難しい国。このドイツ統一記念日を機に、ドイツという国をもう一度見つめ直してみてはいかがでしょうか?