ドイツでは今、一年のハイライトとも呼べるシーズンが真っ盛りです。
そう、いよいよクリスマスのシーズンがやってきました!
ドイツにとって、クリスマスはキリスト教圏の国として重要な行事の一つであるとともに、„Die schönste Zeit des Jahres“「一年で最も美しい時」と称される、特別な季節です。
ドイツのクリスマスシーズンは、毎年11月末頃、クリスマスの約4週間前から始まります。
この時からアドベント期間=「待降節」となり、人々はシュトレンやクリスマスクッキーを焼いたり、クリスマスの飾り付けをしたりと、慌ただしく過ごしながら来たるべき聖夜を待ち望むのです。
待降節の間、ドイツ語圏の各地で開かれるのがクリスマスマーケット!
日本でも、近年、横浜や六本木で開催されているので、そこを訪れたことのある方もいらっしゃるのでは。今の時期であれば、ちょっとした規模の町であればどこでもクリスマスマーケットが開かれており、子どもから老人まで多くの人が集まり、賑わいを見せています。
ドレスデンのクリスマスマーケット https://de.wikipedia.org/wiki/Weihnachtsmarkt |
もともとのクリスマスマーケットは、クリスマス前に人々が日用品やクリスマス用品を売買するための市場だったようですが、今ではすっかりお祭りとして認識されている感がありますね。
マーケットの中は、クリスマスツリーとイルミネーションで華やかに飾られています。
その下には、クリスマスらしく飾り付けられた露店がずらりと軒を連ねており、レースや木彫りの人形などの可愛らしい工芸品、冷えた体を温めてくれるグリューワイン、クリスマス仕様にデコレーションされたクッキーやレープクーヘン、熱々の焼き栗などが売られています。そして、人々はおやつを頬張ったり、各屋台を眺めて回ったりして思い思いにクリスマスマーケットを楽しむのです。
ハート形のレープクーヘン https://en.wikipedia.org/wiki/Christmas_market |
季節が冬へと移ってゆき、寒さが厳しさを増すにつれ、ドイツでは日没の時刻がどんどん早まっていきます。そのうえ、天気の悪い日も多くなって、昼間でさえどんよりと薄暗い日が多くなり、どうしても気持ちが塞いでしまいがちになります。
そんな鬱々とした季節に、クリスマスマーケットのイルミネーションのこぼれるような明るい光は、冬の冷え冷えとした冥闇に、暖かな灯火のようであり、そこに人々は安らぎと心の慰安を得ているのでしょう。
マーケットにいる人々の楽しげな表情、はしゃぎまわる子どもたち、そして、足音が聞こえつつあるクリスマスへの期待。
クリスマスマーケットは、厳しい冬の間の人々の楽しみであり、また、暗闇の中にも希望は確かに息づいているということを教えてくれる象徴的な行事なのだと思います。
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