2016年5月27日金曜日

【学生記事】オーストリア国立図書館



春学期も、始まって既に1ヶ月半が過ぎましたが皆様いかがお過ごしでしょうか、しゃもじです。5月は新緑が大変心地よい、過ごしやすい季節ですね。ゴールデンウィークは過ぎたけれど、まだまだ色々なところに出かけたくなってしまいます。

 さて今回は、こんなことを書きつつインドアまっしぐらしゃもじの妄想旅行にお付き合いいただきたいと思います。目的地は、オーストリアの首都ウィーンの、オーストリア国立図書館。ウィーンは、私にとって未踏の地ですが、この図書館はいつか必ず行って「鑑賞」してみたい場所なのです。

ヨーロッパには、数百年、はたまた千年以上もの歴史を持つ図書館が各地にあります。今回訪れるオーストリア国立図書館は、もともとは、かつて神聖ローマ帝国皇帝をも務め、ヨーロッパ全土に覇を唱えたハプスブルク家が、王室図書館として使っていたものです。マリア・テレジアの父カール6世の命により、18世紀に建築されました。

注目すべきは、何と言ってもこの豪奢にして壮麗、華麗な内装です。天井のフレスコ画、床の模様、美しく装飾された本棚に整然と並ぶ古書群。写真を見ているだけでも、思わずため息が漏れてしまうほどです。これらの装飾から、この図書館は「世界一美しい図書館」とも謳われています。まさに、建物全体が芸術品と言っても過言ではないでしょう。

また、この図書館の所蔵する資料についても、ここで触れておきたいところです。オーストリア国立図書館に収められている資料は、約20万点を数え、その中にはハプスブルク家が代々に渡り収集してきた資料や、軍人として対トルコ戦争やスペイン継承戦争で多大な功績を残し、その一方で文化保護にも尽力したオーストリアの国民的英雄オイゲン公の15000点にも及ぶコレクションも含まれています。これらは実際に手にとって閲覧することはできませんが、ガラスケースに展示されている中世の写本などは見ることができます。

有史以来から今日までの、永い年月の間、人の世では幾度にわたる戦乱があり、大きな社会の変革もありました。けれど、これらの資料はみな、そうして変わりゆく世の中で守られ続け、受け継がれてきた先人たちの遺産なのです。ここでは中世に記された本や、数百年もの昔に時の覇者がその手で触れて学んだ資料が、静かに息をしています。
 
 ウィーンを訪れた際、ぶらりと立ち寄って、装飾の美しさに圧倒されたり、少しだけ歴史の息吹を感じたり。オーストリアに行かれる際、旅程の中にこんな体験は、いかがでしょうか。

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