ミナサン、ゴブサタシマシタ。クラウスです。
このところ日本は雨続きですが、梅雨のないドイツでは、5月、6月はさまざまな花が一斉に咲き始め、一年の中でも特に美しい、そして快適な季節です。ハイネは詩集„Buch der Lieder“ (「歌の本」)の中に „Im wunderschönen Monat Mai“ (美しい五月に)で若者の思いをつづり、シューマンが歌曲 „Dichterliebe“(詩人の恋)でこれに曲を添えていますが、こんな気持ちになるのはボクだけでしょうか。
Im wunderschönen Monat Mai, 美しい五月に
Als alle Knospen sprangen, つぼみがみな開いたとき
Da ist in meinem Herzen そのときぼくの心に
Die Liebe aufgegangen. 愛が芽ばえた
Im wunderschönen Monat Mai, 美しい5月に
Als alle Vögel sangen, 鳥たちがみな歌をうたうと
Da hab ich ihr gestanden そのときあのひとにうちあけた
Mein Sehnen und Verlangen. ぼくのあこがれと熱い思いを
さて、恋人と語り合いながら飲むのはやっぱりワインでしょうか。あまり感傷的にならないよう、先日のワインのお話を続けることにします。
Qualitätswein mit Prädikat (クヴァリテーツヴァイン ミット プレディカート)というドイツに独特の、いわゆる「肩書き」のついた上級品質ワインには5段階の肩書きがあるということでした。この段階は以下のとおりです。
1. Kabinett (カビネットワイン)
2. Spätlese (遅摘みワイン)
3. Auslese (選り摘みワイン)
4. Beerenauslese (粒選り摘みワイン)
5. Trockenbeerenauslese (乾粒選りワイン)
それぞれの名前がぶどうの房や熟度を表していますから、なんとなく味や甘みの見当がつくでしょう。そのとおりです。だんだんとまろやかに、甘く口当たりがよくなっていきます。従って、食事の時に飲むのはテーブルワインの他にKabinettやせいぜい辛口のSpätleseが適していて、Ausleseはデザートワインといってよいでしょう。
これらは基本的に色、澄み具合、香り、味で点数が付けられて、その点数によってそれぞれの等級、肩書きが決められるということです。値段は?-もちろん値段はうえのクラスになればそれだけ高価です。絶対量が少なくなるからです。因みにカビネット„Kabinett“ の名称(日本ではキャビネット)は1811年ラインガウ地方のEberbach 修道院でワインの名称に用いられた „Cabinetskeller“ ( Cで始まり t は一つ)が由来だそうです。つまり小さな小部屋の貯蔵室で特別に育てられた「箱入りワイン」といったところでしょうか。では、またしばらくしたらお話しましょう。
(ワインの品質検査の一こま。検査官は口に含むだけで飲まないものの、何十種というワインを検査したあとは、さすがに結構アルコールが身体に入っているとボクの連れに言っていたそうです。ボクの連れはあまりにワインが美味しかったので、捨てるのが惜しくなり飲んでしまったそうです。そこで、検査官の職業って,「わーいいんだわー」とつい叫びたくなったと言ってました。)
ドイツ国立ブドウ栽培研究所の熟成樽
(ドイツ/Weinsberg: Staatsweingut:上も同じ)
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