本学国際教養学部 岡村圭子准教授 主催による研究会のお知らせです。
「多文化・多言語環境のなかの子ども」研究会
第2回
日時:2009年7月27日(月) 15:00~18:00
場所:獨協大学天野貞裕記念館 4階 ICZ Room3
使用言語:日本語(質疑応答に際してはドイツ語も可)
報告 「ドイツにおける教育参加と制度的差別
—異文化間教育のあらたな地平を求めて—」
エスヴァイン・三貴子博士ハイデルベルク大学講師
報告者の研究分野は、教育参加研究(Bildungsbeteiligungsforschung)と異文化間教(interkulturelle Pedagogik)の中間に位置し、主なテーマは教育現場における制度的差別(institutionelle Diskriminierung)である。
教育参加についての研究は、日本においては教育社会学者刈谷剛彦教授の「社会階層によって生じる学歴差の研究」や、竹内洋教授による「学校内での選抜の仕組み」などがある。制度的差別の研究分野では、少数派に対する差別が研究の中心であり、女性や身体障がい者もこの研究対象となっているが、移民の子どもたちもまた重要な研究対象である。この研究分野のもうひとつの特徴としては、政治分野に深く関わりながら、教育制度改革とともに成立し展開してった教育学の一分野だということである。
この分野はドイツでも新しく、2000年代になって始まった研究であり、そこで用いられる概念や理論のほとんどは、北アメリカと英国から輸入されたものである。「悪意のない差別」もしくは「制度と組織における差別」といった言い方で、その研究関心が指し示されることもある。
この研究会に関する問い合わせは、
獨協大学国際教養学部 岡村圭子研究室まで
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岡村先生は、インターナショナル・フォーラムの報告書「移民・難民・外国人労働者と多文化共生」にも執筆していらっしゃいます。今回の出版に際し、コメントを寄せてくださいました。
「移民問題」というと、自分には関係のない世界だと感じるかもしれない。
「ドイツ」というと、なんとなく遠いところをイメージするかもしれない。
「多文化共生」というと、まったく縁のない話だと思うかもしれない。
けれども、それはちがうんだ。あたしたちの日常は、どこかで繋がっている。
いや、そう考えてみることこそが、複雑な問題を解く第一歩なんだ。
有志舎にて絶賛発売中!
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