2008年6月9日月曜日

夏休みにウィーンに行くなら、学生寮に泊まってみよう。

私は夏休みに資料を探しによくウィーンに行きます。そのときには、安くて便利なので、もっぱらウィーン大学の学生寮に泊めてもらいます。夏休みになると寮に居た学生たちが故郷に帰るので、空いた部屋を利用して、休暇中の間、客を泊めてくれる学生寮があるのです。
これには2種類あります。

1. 短期で1泊、2泊あるいは数日でも泊めてくれる学生寮。
2. 長期で最低2週間(半月)、ふつうは1ヶ月単位で泊めてくれる学生寮。

1. 短期の場合

これは完全にホテル化していて、ホテルとして宿泊客を受け入れている学生寮です。このタイプの学生寮は、夏休みにも残っている寮生を別の棟に移して、7月、8月、9月の3ヶ月間はホテルとして営業するわけです。ですから1泊でも2泊でも泊まれます。値段がユースホステルよりも高いけれど、一般のホテル代よりは安い。シャワー・トイレ付きの個室でゆっくりできます。いくつかあるのですが、安いのは



a) 「Sommerhotel Don Bosco
(Hagenmüllergasse 33, A- 1030 Wien, e-mail:sommerhotel@donbosco.at)

値段はシングルでシャワートイレ朝食付が1泊30ユーロ、二人部屋だと50ユーロとインターネットには出ています。



ドン・ボスコは19世紀の宗教家で、キリスト教カトリック系のサレジオ会を創設した人です。日本では星美学園やサレジオ学園という学校がこの系譜のようです。この宗教団体がウィーンで学生寮を開き、夏休みにはホテルとなっているわけです。





b) 「Studentenheim der Universität für Musik und darstellende Kunst Wien
(Johannesgasse 8, A-1010 Wien, eMail:grosser@mdw.ac.at)

シュテファン大聖堂のすぐ近くにある音楽・美術大学系の学生寮です。シャワーだけでなく湯船のある部屋のようです。シングルで湯船トイレ朝食付きが一泊40ユーロ、二人部屋だと一人36ユーロと出ています。トイレが共同だともっと安くなります。むかし修道院だったところが今は学生寮になり、夏季に短期の宿泊者を泊めています。私は泊まったことはありませんが、学生食堂で昼食を食べたことがあります。 学生旅行者がシュテファン大聖堂の近くで平日昼食をとりたかったら、ここへ行くとよいでしょう。




c) 「Gästehaus Pfeilgasse
(Pfeilgasse 4-6, A-1080 Wien, eMail: reservation@academiahotels.at )、
Hotel Academia
(Pfeilgasse 3a, A-1080 Wien, eMail: reservation@academiahotels.at )、
Hotel Avis
( Pfeilgasse 4, A-1080 Wien, eMail: reservation@academiahotels.at)、
Hotel Atlas
(Lerchenfelderstraße 1-3, A-1070 Wien, eMail: reservation@academiahotels.at)

これらは「Akademikerhilfe」という団体が運営している学生寮ですが、夏は完全にホテル化しています。

Gästehaus Pfeilgasse」はトイレ・シャワーが部屋にはなく共同なので安く、シングルが朝食付きで30ユーロ、二人部屋が50ユーロとなっています。

Hotel Academia」と「Hotel Avis」は、ふつうのホテルと同じ評価を受けて★★のランクを得ています。だから少し値段が高めです。シングルが湯船トイレ朝食付きで一泊58ユーロ、二人部屋が78ユーロと出ています。

Hotel Atlas」は★★★を得たホテルで、もう10ユーロぐらい高くなっています。

これらの学生寮というか、ホテルに泊まってみようと思う人は、メールやファクスで予約することになります。ウィーンは英語が通じますから、ドイツ語が苦手の人は英語で書きましょう。あるいはウィーンに到着してから電話をしても、空いていれば泊めてくれるでしょう。ホテルと同じですから。


学生寮ホテルは夏の7月、8月、9月の3ヶ月だけの営業です。冬休みや春休みに行くのでしたら、学生寮ではないのですが、私のお勧めは、なんといっても「das Benediktushaus」です。



Das Benediktushaus
(Freyung 6a, A - 1010 Wien, eMail: benediktushaus@schottenstift.at)






12世紀にウィーンに設立された修道院がいま都心でペンションをやっているのです。中世の雰囲気のある人気のペンションです。湯船トイレ朝食付きでシングルが64ユーロ(一泊だけ)か60ユーロ(2泊以上)、二人部屋は97ユーロ(一泊だけ)か90ユーロ(2泊以上)と少し高めですが、ふつうのホテルよりは安いし、リング通りの輪の中にあってどこへ行くにも便利です。

2. 長期の場合
このタイプの学生寮は、半月とか一ヶ月単位で、夏季休暇中に講習会や実習に参加する人たちを泊めてくれます。私はこのタイプの学生寮に泊まります。トイレ・シャワーのついた個室が一ヶ月300ユーロから350ユーロぐらいです。トイレ・シャワーが廊下にあって共同の場合はもっと安く、200ユーロから300ユーロぐらいでしょう。

a) 「ÖJAB-Haus Burgenland 3, Studentinnen- und Studentenwohnheim
(Bürgerspitalgasse 19, A-1060 Wien, eMail: burgenland3@oejab.at)

私が一昨年に泊まったのが、ウィーン西駅そばの学生寮「Burgenland 3」です。ここは残念ながら、7月15日から8月31日までしか受け入れてくれません。この学生寮を経営している団体「ÖJAB - Österreichische JungArbeiterBewegung」の学生寮はどこもこの期間しか受け入れないようです。運営団体のホームページ からほかの寮も調べることができます。私はこの団体の別の寮「Burgenland 1」にも8月の一ヵ月間2回泊っています。

b) 「Evangelisches Studentenheim, Wilhelm-Dantine-Haus
 (Blumengasse 6, A-1180 Wien, E-Mail: studentenheim@evang.at)

9月にも泊まりたかったら、この学生寮が、2月、7月、8月、9月に受け入れると(Ferien-Vermietung an Gäste,In den Ferien: Februar, Juli, August, September: Günstige Übernachtungsmöglichkeit für Gäste, Gruppen oder Einzelpersonen.)ホームページに書いています。

c) 「Studentenheim Haus Döbling
(Gymnasiumstraße 85, A-1190 Wien, fax.:369 54 90 25)

この学生寮は7月、8月、9月の3ヶ月受け入れてくれます。一ヶ月250ユーロで、事務手数料は無料。ただし、滞在は一ヶ月単位。一日や2日の滞在でも一ヶ月分の室料250ユーロを払わなければならないと出ています。トイレ・シャワーは共同のようです。申込みは夏季休暇の場合ファクスでのみ受け付け、形式は自由だということです。ファクス番号は日本からだと、+43-1-369 54 94 90 25です。10年ほど前にウィーンで出会った獨協の卒業生がこの学生寮に泊まっていました。大きな学生寮で、若い人にはここが一番手軽かもしれません。

d) 「Akademikerhilfe – Studentenunterstützungsverein
(A-1080 Wien, Pfeilgasse 3a, eMail:studentservice@akademikerhilfe.at )

前述の「Akademikerhilfe」という団体が運営する学生寮も受け入れていると思います。10年ぐらい前になりますが、私はここの学生寮のひとつで8月、9月の2か月を過ごしました。

e) 「Studentenheim Neudeggergasse 21
(Neudeggergasse 21, A-1080,
eMail: neudeggerheim@yahoo.com, office@studentenfoerderung.sth.ac.at)

 ここは部屋代のほかに敷金300ユーロぐらいかかります。でも9月にも受け入れてくれるところが魅力です。

申し込む時は、ホームページからメールアドレスを見つけて、ドイツ語か英語で、希望を書きます。断わりの返事を受けることもありますが、良い返事をもらえることもあります。良い返事をもらえたらシメタものです。短期の場合にはホテルやユースホステルの予約と同じですが、一ヶ月ぐらいの滞在となると、予約金を50ユーロから100ユーロ要求されます。これは退寮する時に返してくれる場合もあれば、事務費として取られてしまう場合もあります。確かめましょう。鍵の預託金は50ユーロぐらいですが、これは退寮の時に返してくれるでしょう。

ドイツ語圏へ行ってドイツ語の講習会に出席し、講習の前後にしばらく滞在して見聞を広めたいとき、学生寮に滞在するのもよいかもしれません。また、大学図書館や国立図書館に通って資料を集めたり、論文を書いたりするときに、ウィーン大学の学生寮は便利です。いかがでしょうか。

(k.h.)

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