2007年9月25日火曜日

山本淳ゼミ紹介

20世紀前半のドイツ文化

 文学や思想、演劇、美術、建築、音楽、さらに映画やラジオなど、多方面の文化領域にわたり、さまざまな問題と可能性がせめぎ合った20世紀前半のドイツ。私たちはこの時代の文化に、現代大衆文化のひとつのプロトタイプを見ることができます。私たちのゼミでは、20世紀前半のドイツ文化に対し、その姿を捉え直すための様々なアプローチを試みると同時に、その作業を通して、現代文化が抱える問題とそれが持つ可能性について考察していきます。
 この時代のドイツの文化状況は、政治や社会の状況と同様、新旧さまざまな動きのせめぎ合いの中にありました。その不定のアンビヴァレントな運動の諸傾向は、テクノロジーの進歩と大衆社会の進展の中、さまざまな問題と可能性をはらみながら、次第にナチズムという全体主義的一元化・画一化の過程に呑み込まれていきます。
 無論、現代の文化状況がその当時の文化状況と同じということはありませんが、時代の中で感じる閉塞感、テクノロジーの進歩と大衆社会が抱える問題という点で、そこにアナロジカルな要素を見ることができます。この時代の文化が抱える問題を考えることは、現代文化が抱える問題を考えることにつながっていきます。
 春学期は、統一テーマを決めて共同作業を行います。小テーマごとにグループに分かれ、分担して研究・発表・討論を進めていきましょう。これまでに扱った統一テーマは「ドイツ表現主義」「バウハウス」「ヒトラーと退廃芸術」などですが、どのテーマを選ぶかについては、あらかじめみなさんと話し合いたいと思います。秋学期は、各自が自分の関心に合ったテーマを設定し、研究・発表・討論を行います。履修者全員、ゼミ論または卒論という形で1年間の成果をまとめます。
 合宿は、夏・春の2回行う予定(春は例年、山路先生、渡部先生、矢羽々先生のゼミと、文学・文化をテーマとした合同ゼミ合宿を実施しています)。また授業外でも、懇親を兼ねしばしば一緒に美術展や演劇等に出かけています。
 さまざまなタイプのメンバーが集まり、いつもゼミの雰囲気はとても楽しくなごやか。みんなまじめだけれど、けっして堅苦しくはありません(どちらかというとのんびり屋の教師を、ゼミ生のみなさんが、しっかりひっぱっていってくれています?)。
もしよろしければ、ぜひ私たちのゼミに参加しませんか?

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