2010年11月28日日曜日

『白いリボン(Das weisse Band』

『ファニーゲーム』や『ピアニスト』のミヒャエル・ハネケ監督によるミステリーです。
第62回カンヌ国際映画祭パルム・ドール、第67回ゴールデングローブ賞外国語映画賞、ドイツ・アカデミー賞10部門受賞など、様々な賞を得ています。


第一次世界大戦直前の北ドイツの小さな村で、不可解な事故が次々と起こります。皆が不信感を募らせるなか、村人たちの素の顔が次第に浮き彫りとなっていきます。
詳しい内容はこちら


12月4日(土)より、銀座テアトルシネマにてロードショーです。


また、これを記念して、12月4日~17日の2週間、ヒューマントラストシネマ有楽町にて映画祭『ミヒャエル・ハネケの軌跡』が開催されます。

詳しい上映スケジュールはこちら   上映作品情報はこちら 

ハネケファンにはたまらない冬になりそうです♪
N.M.

2010年10月21日木曜日

日独交流150周年 オープニング!

1860年秋にプロイセン(現・ドイツ)の東方アジア遠征団が江戸(現・東京)に到着。翌61年に両国は修好通商条約を結び、外交関係を樹立しました。その150周年にあたる2011年に向け、日独両国は様々な記念行事を行なうことで合意、そのオープニングセレモニーが2010年10月16日、東京横浜独逸学園で行なわれました。


会場は、コルネリア・ピーパー独外務国務大臣やフォルカー・シュタンツェル大使、日本の外務副大臣、横浜市長と豪華なゲストにも関わらず、堅苦しくなく終始和やかな雰囲気。様々な展示やスポーツのプログラムを見てまわった一団は、そのまま一般ゲストが行き交うテントの席でビールを飲み、ヴルストを食べていました。



また、当日は見事な晴天で、日差しにあたっていると何もしなくとも汗ばむほど。そうでなくとも美味しいビールがさらに美味しく感じられました。


そして定期的に流れる ♪ ein Prosit~♪ の歌声とPop Musik♪
気づけば、皆さんもよくご存知のお二人が、バンドの前を陣取り、大勢の注目を浴びて踊っていました!そうそう、おなじみのマウスも。子どもたちに大人気でした♪


これから約1年間にわたって、いろいろなところで様々なドイツ関連の行事が催される予定です。沢山足を運んで、ドイツを感じましょう。




日独交流150周年のイベント情報はこちら


N.M

2010年10月1日金曜日

『MON-ZEN』~禅の国・日本へようこそ~

『MON-ZEN』(独題:"Erleuchtung Garantiert")
1999年製作ドイツ映画、108分、ドイツ語(日本語字幕付)監督:ドリス・デリエ

内容:キッチン・セールマンのウーヴェは妻子に逃げられ傷心中。一方、ウーヴェの弟で風水コンサルタントのグスタフは、日本へ禅修行の旅に出る計画をしていた。意気消沈していたウーヴェは酒の勢いで弟の旅に同行することを決めてしまう。目指すは石川県門前町にある禅寺・総持寺。
まずは大都会・東京に降り立った二人だが、迷子になったり無一文になったりで、あっという間にホームレス状態に陥ってしまう――二人にとってまるで異世界である日本は、彼らに何を見せるのか。やがて二人は禅を通して己とも向き合っていく――

『HANAMI』の女流監督、ドリス・デリエがドイツ人中年兄弟日本珍道中をドキュメンタリータッチでコミカル&シリアスに描いた隠れた秀作。外国人が見た俗世の日本、そしてそんな俗世とは対照的な、現役の住職さんや僧侶を通して触れる実際の禅の世界は、私達日本人にとってもどこか新鮮に映るはずです。
★獨協大生は獨協大学図書館の3階でこのDVDを視聴することができます★
(3Fカウンター横にある映像資料の書架を探してみましょう!)

2010年9月30日木曜日

研究休暇2009~2010 ミュンヘンにて。

 研究休暇は日本の大学教員生活におけるクライマックスです。一年間、自由に学術的活動ができるのです。その際に、滞在場所(日本もしくは他国)と研究テーマを自身で選ぶことができます。私は昨年の研究休暇を私にとって新しい音楽学的研究分野に充てることを決めました。詳しく言うと、漂泊の観点からみたドイツロマン派歌曲の研究です。“wandern”(放浪する・歩き回る・漂泊する・遍歴する)という言葉は1800年頃“reisen”(旅をする)の同義語として使われましたが、それは徒歩旅行が中心になっていました。すでに昔から、社会的下位集団や周辺集団が徒歩で旅をしていましたが、1770年以降には市民階級や学生の間でも徒歩旅行が流行しました。このような旅行の方法はドイツ社会にしっかりと定着し、文学や芸術や音楽における重要なテーマともなりました。

私の研究は、漂泊の社会史的、文学的議論を取り入れて、ドイツの歌曲における漂泊という現象と取り組み、まとめることになります。その際に、しばしば「さすらいの歌」として表現される楽曲については、シューベルトやメンデルスゾーン・バルトルディやシューマンのようなロマン派の有名な作曲家の作品のみならず、これらの巨匠たちの、今日において多かれ少なかれ忘れられている同時代人たちの作品も考慮されます。あまり知られていない作曲家たちの作品は、今日では楽譜は市場でほとんど手に入らないので、19世紀の印刷や、部分的に手書きによってのみ伝えられている作品を収集するのには公文書館や図書館における大規模な調査が必要不可欠でした。このような図書館作業が伴うので、私は研究地としてミュンヘンを選びました。当地のバイエルン州立図書館は、プロイセン文化財団ベルリン国立図書館と並んで膨大な音楽文献を所蔵しているからです。事実、私はそこで必要不可欠な文献の大部分を探し出すことができました。しかし、不足分を補うためには、ドイツ国内やパリ、ウィーンへのさらなる図書館巡りが必要でした。私の研究のさらなる発展の為にも、文献は研究基盤なのです。したがって、私は手始めに、社会史的観点から漂泊を論ずる中で、1800年頃の旅行報告を引き合いに出します。それに加えて芸術歌曲との比較として民衆的なさすらいの歌を調査に取り入れることになります。この両分野に関してもバイエルン州立図書館はメッセージ豊かな文献を所蔵していますが、これに関しても他の図書館や公文書館の蔵書で補う必要がありました。

 私が客員研究員として招かれていたミュンヘン大学の音楽学研究所が、さらなる研究の場を提供してくれました。そこでもハルムート・シック教授と彼の共同研究者と学生とともに、研究に役立つ活発な学術的な交流ができました。



キルステン・バイスヴェンガー



(訳:T.T)

2010年9月1日水曜日

夏の夜の美術館

毎年恒例の家族旅行で横須賀方面に行ったついでに、横須賀美術館に行って来ました。8月29日で終わってしまったのですが、イタリアのブルーノ・ムナーリ (1907-1998)の展覧会が開かれていました。ムナーリはプロダクトデザイン、グラフィックデザイン、絵本の制作、子どものための造形教育など多岐にわたる分野で活躍した人で、日本でも大変人気です。

美術館に寄ったのはもう夕暮れ時だったのですが、ちょうどキノ・イグルー(Kino Iglu)というシネクラブが企画した野外シネマの準備中でした。のんびりした夏の夜に、海に面した斜面の芝生に大きなスクリーンが準備されていて、いかにも楽しそう。誰でも自由参加だったので、見て帰ることにしました。バスにのった屋台も出ていて、自然食品のピザやスープが売られています。沢山の親子連れや様々なグループがいて、各々芝生に陣取って好きずきにやっていました。 
上映されたのはフランスのアルベール・ラモリス監督の『赤い風船』(1956 年)。少年パスカルと赤い風船の友情?!を描いたほとんど台詞のない短編映画です。少年パスカルと赤い風船が主人公のちょっと幻想的な作品で、最後に少年が沢山の色とりどりの風船に引っ張ってもらってパリの上空を飛んでいる映像をご存知の方もあるかもしれません。1956年、まだCGもない頃に、どうやってこれらの映像が撮影されたのか、未だにその秘密は明かされていないそうです。

 
 ヨーロッパでは夏の夜にこのような催し物が数多くありますが、何しろ横須賀美術館は庭の真向かいに海が見える絶好のロケーション!スクリーンに映し出されたパリの町並みの奥に夜の海が透かして見えて、夜風もさわやか。来年も同じ時期に野外シネマを企画しているそうです。みなさんも機会があれば、ぜひ夏の終わりを美術館で楽しんでみて下さい。

A. A